手・指の痛みについて
手・指は日々の使用頻度が高く、その分負担もかかりやすい部位です。パソコンやスマホなど、一見ケガと関係なさそうなものが手・指の痛みの原因になることはよくあります。また、突き指や骨折など、ケガをしてしまった際は早めにご相談ください。
このような症状はありませんか?
- 手・指が痛い
- 手のしこり・できもの
- 手がしびれる
- 指の付け根が痛い
- 手が動かしづらい
- 突き指をした
- 手がだるい
主な疾患
へバーデン結節
40歳以降の女性に多く発生し、手をよく使う人はなりやすい傾向があります。また、更年期障害の一つの症状ともいわれています。指の第1関節(DIP関節)が変形して曲がってしまい、赤く腫れたり、痛みを伴うこともあります。進行すると関節の動きも悪くなり、痛みのために強く握ることが困難になります。
ばね指(弾発指)
更年期の女性に多く、妊娠出産期にも多くみられます。手を多く使う仕事や、スポーツをする人に多いのも特徴です。また、糖尿病やリウマチ、透析を受けている方にもみられます。指の付け根で、指を曲げる腱とそれを押さえている靭帯性腱鞘の間で炎症が起こると”腱鞘炎”になり、その部分で腱の動きがスムーズでなくなり、指の付け根に痛みや腫れ、熱感を生じます。朝方に症状が強く、日中は使用することで症状が軽減することもあります。進行するとばね現象が生じて”ばね指”と呼ばれる状態になり、さらに悪化すると指が動かなくなります。
母指CM関節症
親指のつけ根の関節(CМ関節)は、親指が他の指と向き合ってつまみ動作ができるよう大きく動かすことができます。その分、使い過ぎや老化に伴って関節軟骨の摩耗が起きやすく、進行すると関節が腫れ、亜脱臼(関節の骨が部分的にずれること)して親指が変形してきます。物をつまむ時や、ビンのふたを開ける時など、親指に力を必要とする動作で、手首の親指の付け根付近に痛みが出ます。進行してくるとこの付近が膨らんできて、親指が開きにくくなります。
ガングリオン
ガングリオンは、手指や手首の関節周囲から生じることがある腫瘤です。若い女性に多くみられますが、必ずしも手をよく使う人にみられるわけではありません。腫瘤の大きさは、米粒大からピンポン玉大までさまざまで、軟らかいものから硬いものまでみられます。通常は無症状なことが多いですが、神経のそばにできると神経を圧迫して痛みやしびれ、麻痺などを起こします。手を使い過ぎると腫瘤は大きくなることがあります。
手根管症候群
正中神経が、手首にある手根管というトンネル内で圧迫されて起こります。初期には人差し指、中指にしびれや痛みが出ますが、最終的には親指から薬指の親指側半分がしびれます。急性期には、このしびれは明け方に強い傾向があります。ひどくなると親指の付け根がやせてしまい、親指と人差し指できれいな〇(OKサイン)ができなくなります。縫物がしづらくなり、細かいものがつまめなくなります。
橈骨遠位端骨折
転んだ際に手をつくことで、手首近くにある橈骨が折れてしまい、手首の親指側に痛みと腫れが出ます。児童や骨粗しょう症の中高年女性によくみられます。変形防止のためギプスで数週間ほど固定し、その後リハビリを行います。