リハビリ治療blog 変形性膝関節症~前編~|横浜市金沢区の整形外科|中村整形外科

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リハビリ治療blog 変形性膝関節症~前編~

リハビリ治療blog、今回は「変形性膝関節症」に焦点を当ててご説明致します。
変形性膝関節症とは、主に高齢化による膝周りの骨の変形(O脚、X脚)やそれに伴う膝周囲の組織の変化によって膝周りや足に痛みを引き起こす疾患です。
リハビリではこの変形性膝関節症に伴う痛みを改善したり、その後の変形を予防することが期待できます。

<変形性膝関節症が起きる原因>
        
加齢、筋力低下、筋肉の緊張ストレス等が長く続いた結果、画像のように骨が通常の位置よりもズレて関節軟骨がすり減り関節の間が狭くなります。(図:グレードⅠ、Ⅱ)
ここから骨の位置がさらにズレてしまい骨同士がぶつかり合うと、骨が削れ骨自体の形が変形します。(図:グレードⅢ、Ⅳ)
過度に骨同士がぶつかり削れてしまったケースではリハビリのような保存治療だけでは改善が難しく、手術になる場合があります。

<痛みの原因となる部位>

1.膝関節周囲の筋肉(画像例:大腿直筋、ハムストリングス、下腿三頭筋など)
2.膝関節周囲の軟部組織(画像例:膝蓋下脂肪体など)
大きく分けるとこの2つが原因で痛みが起きていることが多く、これらが拘縮していたり、動きが悪くなることで痛みを伴い変形を助長します。

<リハビリによる治療>
1.膝関節周囲の筋肉
筋肉が痛みの要因となる場合は大きく分けて二種類の状態になります。
短縮:筋肉が短くなること
癒着:筋肉や筋膜が動きにくくなること
このどちらもが膝の可動域を制限したり痛みを引き起こす要因となります。
特に筋膜は痛みを感知する受容器が筋肉の10倍存在すると言われており、筋膜の動きが悪くなることで膝の痛みに大きく影響します。
短縮の治療方法:ストレッチ(短くなった筋肉を長くする治療)
癒着の治療方法:リリース(筋肉、筋膜を動きやすくする治療)
主に上記二つの方法で治療し、筋力トレーニング、温熱療法などの方法も必要に応じて併用しながら治療行います。
2.膝関節周囲の軟部組織
膝周囲にある様々な軟部組織が筋同様に癒着を起こして動きが悪くなったり、軟部組織自体に痛みが出す場合があります。
変形性膝関節症の方では図にある膝蓋下脂肪体という軟部組織が痛みの原因になることがよくみられます。
膝蓋下脂肪体は、この組織そのものに痛みを感知する受容器が多く含まれています。そのため、癒着を起こして動きが悪くなったりするとこの組織を関節内で挟み込み痛みが起こります。この場合もリハビリで膝蓋下脂肪体を動かす治療方法を組み合わせて挟み込みを解除することで膝の痛みが改善します。
〇環境設定〇
徒手治療以外に外部環境を設定して痛みや変形を抑える方法もあります。
・テーピング
歩行時や動作の際に膝の痛みがある方はテーピングを使用して膝の位置を矯正したり、筋肉の動きを補助することで痛みや負荷を減らします。
・インソール
靴の中敷きに特殊なパッドで凹凸をつけて足型を補正し足裏を刺激することで今まで使えていなかった筋肉の動きを活性化したり、膝の荷重位置を足部から補正することで膝関節にかかる痛みや負荷を減らします。
当院ではオーダーメイドでその方の膝に合うインソールを作成しております。


このように変形性膝関節症もリハビリによって痛みを軽減、改善したり今後の変形進行を予防することが期待できます。次回は変形性膝関節症に対する変形予防としてセルフエクササイズを記載致します。ぜひ併せてご覧ください
人によって痛む場所やその原因は異なります。中村整形リハビリテーション科ではその方に合わせた個別治療を行っています。
お身体の痛みでお悩みの方は、このような治療をリハビリテーション科で受けてみませんか?
ぜひ、金沢文庫の中村整形外科へお越しいただき医師にご相談ください。

執筆:理学療法士 平野 翔
監修:医師 中村龍之介