今回、高齢者に特に多い骨折の一つである橈骨遠位端骨折に関してご説明します。橈骨遠位端骨折は、転倒時に顔や身を守る為に手をついて受傷する事が多いとされています。特に骨粗鬆症を有している中高年者(女性)に多く、受傷後は手の関節周りの痛み・腫れ・変形・浮腫・熱感等が症状としてあげられます。

診断医師が患部状態を確認し、レントゲン検査で橈骨の手首側に近い箇所(図1.赤線)に骨折の有無や損傷程度を確認します。損傷程度により治療方針が異なる為、受傷してから痛みや腫れ・動かしにくさ等感じられた際は、早期の受診をお薦めしております。
医学的治療
骨折のズレがない場合は、骨癒合(骨の支持性と強度が回復)するまではギプス固定が一般的です。ギプス固定期間はおよそ4~6週間要します。
骨折のズレが大きく整復では不十分な場合、医師が診断し手術が必要となる事があります。
ギプス固定中に行うリハビリテーション
橈骨遠位端骨折の手術後やギプス固定中は、手の痛みや浮腫、不動に伴う肩・肘・手関節の拘縮(関節が動かしにくくなった状態)が生じやすくなってしまいます。ギプス固定中に生じ易い、これらの症状を緩和する為のリハビリテーションをご紹介致します。


ギプス固定後に行うリハビリテーション
ギプス固定後はギプス固定期間中に低下した、肘・手首の筋肉・皮膚の柔軟性、制限されていた肩~肘・手関節の動きを取り戻し、日常生活に適応させていく事が大切です。その為の、ギプス固定後に行うリハビリテーションをご紹介致します。

このように橈骨遠位端骨折と診断されたギプス固定後、または手術後の患者様は、手の痛みや腫れ、動かしにくさといった症状により日常生活が困難となります。このような方々に上記以外にも、中村整形リハビリテーション科では、自主ストレッチ・手首・肘周囲の筋力トレーニングや荷重練習・日常生活動作指導など、その方に合わせたリハビリ・個別指導を行っています。
ぜひ、金沢文庫の中村整形外科へお越しいただき医師にご相談ください。
執筆:理学療法士 本多 悠一
監修:医師 中村 龍之介