リハビリ治療blog 腰部脊柱管狭窄症~前編~|横浜市金沢区の整形外科|中村整形外科

横浜市金沢区釜利谷東2-20-9 クリニックビル1F

よくあるご質問&
トピックス

リハビリ治療blog 腰部脊柱管狭窄症~前編~

リハビリ治療blog、今回は「腰部脊柱管狭窄症」に焦点を当ててご説明致します。
腰部脊柱管狭窄症とは主に高齢化による腰骨の変形や腰骨近くの組織の変化によって、腰骨の間を走る脊柱管内の神経を圧迫して、足腰に痛みや痺れを引き起こす疾患です。
この痛みや痺れの中でも、特に歩いているときに症状が起こり上体を前屈させたり座ったりすることで軽減し、再び歩くことができるようになる症状を間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいます。腰部脊柱管狭窄症の症状の中でリハビリにより改善が見込めるのは主にこの「間欠性跛行」になります。

<腰部脊柱管狭窄症で間欠性跛行が起きる原因>
前述したように、骨の変形などで脊柱管を圧迫してしまうといった構造上の問題で間欠性跛行は起こります。しかし、それだけが原因ではなく筋肉が硬くなっていたり、弱くなっていたりすることで姿勢や歩行動作が悪くなると脊柱管の圧迫症状を強め神経内部で血流障害を起こして間欠性跛行を助長します。

図のように腰骨の間には神経が走っていることから腰骨の変形や靭帯の肥厚、椎間板の突出などが起こると神経を圧迫しやすくなります。また、これに加えて腰を反る姿勢でいるとより神経が圧迫されます。このことから、腰部脊柱管狭窄症で腰を反る姿勢の方は症状が出やすい状態にあるといえます。

「私は腰を反らしていないけど症状がでてるわ…」と思う方もいるかもしれませんが、患者様自身は長年の積み重ねで姿勢不良を起こしており、慣れた姿勢なので反らしている自覚はありません。では、どうしてそのような姿勢になってしまうのでしょうか

<腰を反らした姿勢になる主な原因>
・腰を反らす際に使われる腰の筋肉が緊張している 
・骨盤を前に倒す筋肉が緊張を起こしていて骨盤が前に倒れることで腰も一緒に反らしてしまう
大きく分類するとこの2点が原因になっていることが臨床上非常に多く、この原因に対するリハビリの効果は研究でも有効な治療法とされています。このような原因であればリハビリによる改善の可能性があります。
今回原因となっている筋肉に対するリハビリは物理療法と運動療法の2種類があります。

<リハビリによる治療>
物理療法
原因となっている筋肉に機械で電気や温熱を加えて柔らかくして血行をよくする治療法です。

[筋肉を柔らかくする主な物理療法]
マイクロ波治療器:患部に照射したマイクロ波が体内で熱となり、筋肉を直接温める


低周波治療器:患部に低周波電流を加えて血行を促進し、筋肉を柔らかくする 電気刺激により、痛みの伝達を抑制する


運動療法
理学療法士が原因となっている筋肉を直接徒手治療で柔らかくし、姿勢を調整します。また、ご自宅で行えるセルフエクササイズを指導します。
[筋肉を柔らかくする主な徒手治療]
ストレッチ:筋肉を伸長させ、短くなった筋肉の長さを長くする
リラクセーション:攣縮した筋肉(筋肉が凝っているような状態)の緊張を解く
筋、筋膜リリース:癒着した筋肉(筋肉がくっついている状態)を剥がす
この物理療法と運動療法を併用して、前述した腰を反らす姿勢となっている原因の筋肉を柔らかくすることで姿勢を修正して間欠性跛行の症状を軽減または改善します。

このように腰部脊柱管狭窄症そのものは治せなくてもリハビリによって痛みや痺れといった症状を軽減、改善できることがあります。
今回は特に多い原因を例として挙げましたが、これ以外にも筋力低下により歩行時に骨盤を前に倒してしまうことで脊柱管を圧迫してしまうケースや生活習慣の中に症状を増悪させる原因を持っているケースもあり、その際は筋力トレーニングや動作指導が必要となります。そのため、中村整形リハビリテーション科ではその方に合わせた個別治療を行っています。
お身体の痛みでお悩みの方は、このような治療をリハビリテーション科で受けてみませんか?ぜひ、金沢文庫の中村整形外科へお越しいただき医師にご相談ください。

執筆:理学療法士 平野 翔
監修:医師 中村龍之介