リハビリ治療blog 腰部脊柱管狭窄症~後編~|横浜市金沢区の整形外科|中村整形外科

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リハビリ治療blog 腰部脊柱管狭窄症~後編~

リハビリ治療blog、今回は前編に引き続き腰部脊柱管狭窄症に対してご自身で実践できる具体的なセルフエクササイズをお伝えしていきたいと思います。

 

腰部脊柱管狭窄症とは主に高齢化による腰骨の変形や周囲の組織の変性によって腰骨の中を走る脊柱管内の神経を圧迫して、足腰に痛みやしびれ等の症状を引き起こす疾患です。

この中でも歩いている時に痛みやしびれが起こり、上体を前屈させたり休むと軽減する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という症状がリハビリの治療対象となります。

この間欠性跛行は特に骨盤、腰骨に付着している筋肉が硬くなったり弱くなったりすることが原因で体を支える筋肉のバランスが崩れてしまい、腰が反っている姿勢が作られることで出現する傾向があります。次の項目でこれらの硬くなっている筋肉を柔らかくする柔軟運動と、弱くなっている筋肉を鍛えていく筋力トレーニングをご紹介していきます。

図1は、腰が反っている姿勢に起きている筋肉の状態を表しています。


図1①大腿直筋、腸腰筋 ②脊柱起立筋、多裂筋 ③腹直筋、腹横筋 ④大臀筋 
※赤い部分が硬くなっている筋肉、青い部分が弱くなっている筋肉です。

【 硬い筋肉の柔軟運動 図1赤い部分の治療 】
・大腿直筋の柔軟運動(治療側:右の場合) 

  • 椅子に座った状態で右側のお尻を椅子からはみ出させます。
  • 右の膝を曲げた状態で右足首を持ち、足全体を後方(矢印の方向)へ持っていきます。
  • 太ももの前面に張りを感じた状態で1分間その姿勢を保持してください。15秒ほど間隔を空け3回ずつ左右行ないます。


・腸腰筋の柔軟運動(治療側:右の場合)

  • 上記の様な膝を立てた姿勢をとります。
  • 右太ももの付け根に張りを感じるまで前方(矢印の方向)に体重を移していきます。
  • その状態で1分間姿勢を保持して下さい。15秒ほど間隔を空け3回ずつ左右行ないます。


・脊柱起立筋、多裂筋の柔軟運動

  • 仰向けに寝た状態で図4のように両膝を抱え込み、なるべく膝を胸に近づけて下さい。
  • 1分間その姿勢を保持し、15秒ほどの間隔を空け3回ほど繰り返します。


【 弱くなっている筋肉の強化 図1青い部分の治療 】
・腹直筋、腹横筋の筋力トレーニング

  • 仰向けに寝てもらい腰の下に両手を敷きます。
  • 両手を腰で圧迫するようにお腹に力を入れていきます。
  • その状態を5~10秒間保持する運動を10回行います。

・大臀筋の筋力トレーニング 

  • うつ伏せの姿勢をとり、お腹の下に枕や丸めたバスタオルを置きます。
  • 膝は直角に曲げた状態を保ち、太ももの前面が床面から離れるように足を上げていきます。
  • 片脚ずつ交互に実施、左右1回ずつを1セットとし5~10セットの反復を行います。


これらのセルフエクササイズを行っていくことで腰を反らした姿勢が改善していけば、痛みや痺れ等の症状は軽減していく可能性があります。エクササイズの注意点として柔軟運動を行なう際は壁や椅子の座面等、固定性のある物につかまって頂くと安全に行えます。また、エクササイズを行なう際は呼吸を止めずに行ない、少なめの負荷、回数から開始して下さい。
実施後に違和感や痛みが生じる場合には無理に行わず医師への相談をご検討下さい。

中村整形リハビリテーション科ではその方に合わせた個別治療を行っており、このようなセルフエクササイズ指導や徒手治療を行っております。痛みでお悩みの方はこのような治療をリハビリテーション科で受けてみてはいかがでしょう。ぜひ、金沢文庫の中村整形外科へお越しいただき医師にご相談ください。

執筆:理学療法士 本多 悠一
監修:医師 中村龍之介