変形性股関節症
患者様の多くは女性で、原因は股関節の形成不全といった子供の時の病気や、発育障害の後遺症によるものが多いです。また最近は高齢化社会となったため、特に原因となる病気がなくても年齢と共に股関節症を発症してくることがあります。主な症状は関節の痛みと機能障害で、最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じます。進行すると痛みが持続するようになり、夜間寝ていても痛むようなります。日常生活では足の爪が切りにくい、靴下が履きにくい、正座が困難になるなどの症状が出てきます。
大腿骨頚部骨折
大腿骨は股関節を支える重要な骨ですが、骨粗しょう症で骨密度が下がっていると、大腿骨頚部の骨折リスクが高まります。骨折すると歩行や起き上がる際に痛みを生じるため動くことができず、高齢者が寝たきりになるきっかけになります。
変形性膝関節症
関節軟骨の老化によるものが多く、肥満や素因も関与しています。また骨折や靭帯・半月板損傷などの外傷、化膿性膝関節炎などの感染の後遺症として発症することもあります。男女比は1⁚4で女性に多く、高齢者になるほど罹患率は高くなります。主な症状は膝の痛みと、関節に水がたまることです。初期には立ち上がりや歩き始めなど動作開始時に痛み、正座や階段の昇降が徐々に困難になります。進行すると安静時にも痛みがとれず、関節の変形が目立ち、膝が完全に伸びず歩行が困難になります。
半月板損傷
スポーツなどのケガで生じる場合と、加齢により傷つきやすくなっている半月板に微妙な外力が加わって損傷する場合があります。膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを感じたり、ひどい場合は膝に水がたまったり、急に膝が動かなくなり(ロッキング)歩けないほど痛くなることもあります。
こむら返り
筋肉疲労や脱水症状、栄養不足、体の冷え、加齢や妊娠中などに起こりやすくなります。整形外科の病気では腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどの腰椎疾患でみられます。
足関節捻挫
スポーツ以外でも、歩行時に段差などで生じることがあります。多くの場合、足関節を内側にひねって生じ、足関節の外側の靭帯(前距腓靭帯)が損傷します。外くるぶしの前や下が腫れて痛みます。
外反母趾
幅が狭くつま先が細くなった靴を履くと、足の母趾の付け根から先が圧迫されて変形します。ヒールの高い靴を履くと、付け根にかかる力が増えてさらに変形を強くします。症状は母趾の先が「くの字」に曲がり、付け根の関節の内側の突き出したところが痛みます。
成人期扁平足
足にはアーチ構造があり、効率的に体重を支えています。加齢によるアーチを支える腱の変性や、体重の増加によってアーチは低下します。幼児の頃から足裏が平べったく、成人になってもそのまま残っているタイプの扁平足ではあまり痛みはありません。これに対して、中年期以降に発症する扁平足では、内側のくるぶしの下が腫れて痛みが生じます。
足の慢性障害
全体重がかかる足には、スポーツや歩行などの活動によってさまざまな部位に痛みが生じます。陸上競技やサッカー、バスケットボールなどの、走ったり、ジャンプ動作が多いスポーツにおいて慢性障害が発生します。足の慢性障害には部位により①種子骨障害、②外脛骨障害、③足底筋膜炎、➃踵骨骨端症、⑤踵骨滑液包炎などがあります。
※画像は、日本整形外科スポーツ医学会「スポーツ損傷シリーズ13 足の慢性障害」より引用